世界中で使われている主要な検索エンジンは、「Google」「Yahoo!」「Bing」だと思っている方、実はそうではない。 comScoreが発表した2013年2月のデータによると、各検索エンジンのシェアと総検索回数はこのようになっている。

Google Still World’s Most Popular Search Engine By Far, But Share Of Unique Searchers Dips Slightly
世界の検索エンジン市場は、Googleが圧倒的なシェアを占めている。 逆に、日本で馴染みがあるYahoo!は4.9%と、Googleの1/10だ。 では、日本国内においてはどうだろうか。 少し古い資料であるため現在とは違うが、2010年4月のニールセン調査によると、利用者5200万人のYahoo!がトップとなっている。

月間検索クエリ数のトップはYahoo! Searchで23億6903万回 | ニュースリリース | ニールセン株式会社
私の感覚では、既にGoogleが逆転をしてしまっているとは思うが、それでも日本国内において、Yahoo!の存在感は非常に大きい。 下図は私たちが運営しているいくつかのWEBサイト、ランディングページでのGoogle、Yahoo!からの流入数だ。

業種や取り扱い品目によって異なるものであるため一概には言えないが、やはりGoogleの方が多くなってきた印象は強い。
検索エンジンによるSEO、リスティング広告の違いはあるのか
さて、数ある検索エンジンだが、それぞれ別の検索エンジンマーケティングを行わなければいけないのだろうか。 まず意識しなければいけないのは、Google、Yahoo!、そして差がついてしまっているが、一応日本では3番手につけるBingも入れておこう。
リスティング広告における違いは?
まずリスティング広告を大きく分けると、以下のようなっている。
- ・Googleは、Googleアドワーズ広告
- ・Yahoo!は、Yahoo!プロモーション広告
- ・BingはYahoo!プロモーション広告
BingはYahoo!のリスティング広告の仕組みを使用しているため、除外してもらって構わない。 つまり、リスティング広告を出稿する場合は、「Googleアドワーズ広告」と「Yahoo!プロモーション広告」のみ注力して頂ければ問題ない。 今のところ重要度としては、「Googleアドワーズ広告:Yahoo!プロモーション広告=5:5」と言ったところだろうか。 理由としては、以下を見ていただきたい。上がGoogle検索エンジンの検索結果画面、下がYahoo!検索エンジンの検索結果画面のファーストビューである。

赤枠はリスティング広告枠だ。画像ではあまり変わりは見られないが、最近では、Yahoo!が広告領域を多めにしたりしている。

今後Googleユーザーの割合は増えていくとは言え、量販店などで販売されているパソコンではYahoo!が初期に設定されている場合が多い。 また、以前からYahoo!を使い続けている、企業で使う検索エンジンがYahoo!で統一されている方が多いことも予想できる。 そのため、初心者やリテラシーを高める必要性を感じない人ほどYahoo!検索エンジンを使いがちだ。 そして彼らは、気が付かなければ広告をクリックする。 つまり、「Googleアドワーズ広告」と「Yahoo!プロモーション広告」はユーザー層が違っており、そのためキーワード選定が非常に重要になってくるのだ。
リスティング広告のキーワード選定の重要性と選定方法は別途記事化しよう。 また、それぞれのリスティング広告の特徴、選定基準、掛けるべき広告費用なども追って記事化する予定だ。
SEOにおける違いは?
次はSEOだ。
2010年11月末、Yahoo!はそれまで自前の検索エンジンを使用していたが、Googleの検索エンジンシステムを採用することになった。
そして、Bingは今のところシェアが低いため、SEOの考慮にいれる必要はないだろう。Google用のSEOを行っておけば事足りる。
つまり、日本国内においてはGoogle検索エンジンの仕様(アルゴリズム)のみに気を使って、SEOを行えば良いということになる。
一点だけ注意する箇所があるとすると、Google検索エンジンとYahoo!検索エンジンが全く同じ検索結果を返すわけではない、ということだ。 ベースの検索エンジンはGoogleが提供しているが、Google、Yahoo!それぞれが独自のフィルタリング処理をしていると推測する。
Googleのフィルタリング処理
- ・Googleはパーソナライズ検索により、ユーザーによって表示順位が変わる
- ・GoogleはYoutubeやGoogle+等独自サービスが検索結果に有利に働きやすい
Yahoo!のフィルタリング処理
- ・Yahoo!カテゴリに登録されている方が検索結果に有利に働きやすい
- ・Yahoo!はYahoo!知恵袋等、Yahoo!関連サービスが検索結果に有利に働きやすい
- ・Yahoo!で独自のペナルティ基準に該当するサイトはYahoo!での順位が下がる
では、Yahoo!独自のSEO対策が必要か?と言われると、答えはNOだ。労力ほどの見返りはない。
最後に
SEOやリスティング広告は専門知識を持っている業者に頼むことが多いだろう。 ただ、プロフェッショナルに任せておけば全て解決すると思っていてはいけない。 最低限、基本的な項目くらいは抑えておくべきだ。今回は、以下に注目してもう一度記事を読みなおしていただくことをお勧めする。
- ・日本国内における検索エンジンのシェア
- ・どの検索エンジンマーケティングを行えばよいのか
- ・検索エンジン毎のSEO、リスティング広告の重要性
それだけで
- 「BingのSEOもしないとだめですよ!」
- 「Yahoo!は今後使われなくなるからリスティングはしなくても良いです」
こんな間違ったことを言う業者は避けられるだろう。